今回は早稲田大学に存在する13学部について難易度や学内カースト、内容を比較していきます。
1)早稲田大学の学部紹介
まず早稲田大学に存在する13学部を入試に必要な科目で大きく文系・理系に分けていきます。
早稲田大学は一様に慶應義塾大学と並べて比較されることも多いですが、実際は文系が強いのが早稲田、理系が強いのが慶應というイメージです。
文系 | 政治経済学部、法学部、文化構想学部、文学部、教育学部、商学部、社会科学部、国際教養学部 |
理系 | 基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部 |
その他 | 人間科学部、スポーツ科学部 |
2)学部の難易度・序列ランキング
文系 | 難易度ランク | 科目 |
政治経済学部 | S | 先進理工学部 |
法学部(、国際教養学部) | A | 基幹理工学部、創造理工学部 |
文化構想学部、文学部、商学部(、国際教養学部) | B | |
社会科学部 | C | |
教育学部 | D | |
人間科学部、スポーツ科学部 | E |
※国際教養学部はほとんど留学生と帰国生しかいないため、学部ヒエラルキーに簡単には組み込めなかったので()で入れました。
3)文系学部
まず難易度の差が激しい文系学部から紹介していきます。
①政治経済学部
政経は早稲田創立以来の看板学部で「政治の早稲田」と言われる所以は此処にあります。
そして政治学と経済学が一つの学部に編成されていることが大きな特徴です。
また“Philosophy, Politics, andEconomics”(PPE)を学問理念としています。
さらに英語学位プログラムを併設しているので、日英両言語で科目を提供するハイブリッド教育を行っています。
卒後は政財官、国際機関、ジャーナリズム、大学院進学など、幅広いキャリア選択ができます。
●設置年:1920年(1882年の政治経済学科が起源)
●卒業生:
羽鳥慎一、橋下徹、江戸川乱歩、尾崎士郎、小渕恵三、東国原英夫、福田康夫、野田佳彦、鈴木恒夫、吉川芳男、増岡博之、堤康次郎、益子修(三菱自動車工業社長)、夏野剛(実業家)、海老沢勝二(元NHK会長)、秋草直之(元富士通社長)、出井伸之(元ソニーCEO)、村上太一(リブセンス社長)、長谷川閑史(武田薬品工業社長)、柳井正(ファーストリテイリング社長)、小出宣昭(中日新聞社社長)、出澤剛(LINE株式会社代表取締役社長)、岡田武史、乙武洋匡、河野一郎、他多数
●入学者数:約770名
●駿台偏差値:64.0-65.0
②法学部
法学部は政経に匹敵する名門学部で、政界・法曹界・言論界に人材を多数輩出しています。
また法律主専攻と副専攻の履修モデルがあるため、法律学以外にも教養教育についても体系的に学ぶことができます。
そして法律主専攻には「司法・法律専門職」「企業・渉外法務」「国際・公共政策」の3つに分かれています。
●設置年:1920年(1882年の法学科が起源)
●卒業生:
尾崎哲夫、岸田文雄、牧野たかお、森井忠良、大内啓伍、小杉俊哉、岡村 和美、大久保恒夫(成城石井社長)、野村吉三郎(元全日空社長)、他多数
●入学者数:約780名
●駿台偏差値:65.0
③文化構想学部
文化構想学部は近年人気絶大です。
かつての第一文学部と第二文学部を融合した学部で2007年に文学部とともに再編されました。
自分の関心に沿って論系の枠を超えて履修できる自由なカリキュラム編成が大きな特徴です。
そのため現代人間論から文芸・ジャーナリズムに至るまで非常に幅広く専門科目が用意されています。
●設置年:1949年(2007年に第一文学部・第二文学部を合わせて再編)
●入学者数:約860名
●駿台偏差値:59.9-60.0
④文学部
早稲田の文学部は130年以上の歴史を持ち、政経・法に匹敵する名門学部です。
芥川賞や直木賞作家など文豪を多数輩出しており、村上春樹や井伏鱒二もここ出身です。
そのため出版業界は文学部OBの巣窟で、非常に大きな権威を誇っています。
さらに専門科目は18のコースに分かれていて、哲学からアジア史、考古学に至るまで幅広い分野を学ぶことができます。
●設置年:1949年(2007年に第一文学部・第二文学部を合わせて再編)
●卒業生:
堺雅人、井伏鱒二、角田光代、三浦しをん、若山牧水、村上春樹、北原白秋、牧野信一、神田厚、井上伸一郎(角川書店社長)、タモリ、他多数
●入学者数:約670名
●駿台偏差値:60.0-61.0
⑤商学部
大学令下における最古の商学部で幅広い分野に人材を多数輩出しています。
商学部はビジネスの仕組みを通じて社会や経済を分析し、社会をより良くする方法を模索する学問領域です。
また国際的な人材育成を目標としていて、独自の海外留学プログラムや国際教育プログラム(GMP)を提供しています。
余談ですが早稲田の商学部はチャラ商と呼ばれることも多く、実際に垢抜けた人の多いイメージがあります。
●設置年:1920年
●卒業生:
森喜朗、青島幸男、竹下登、齋藤憲三、松本昇、堤義明(元西武鉄道グループオーナー)、他多数
●入学者数:約880名
●駿台偏差値:61.0
⑥社会科学部
社会科学部では政治学・経済学・法学・商学などの幅広い科目を履修することで複数の視点からアプローチする方法を学びます。
ここで「ん?」と思った受験生、正解です。
要するに何をやっているのか分かりずらい学部なのです。
さらに入試難易度やカリキュラムの自由度が高く楽なことから、しゃがクズと呼ばれることも多いです。
●設置年:1966年
●卒業生:
安住淳、与沢翼、他多数
●入学者数:約580名
●駿台偏差値:60.0
⑦教育学部
早稲田の教育学部は「人間を育て、過去からの遺産を伝承し、新たなものを創造し、より良い社会を実現する」という広い意味での教育の性質を持ちます。
また教員免許の取得を卒業要件としていないことが特徴です。
実際に旧私学高等師範部ですが教育に興味ある人間は皆無です。
そして卒後は教育機関以外にも一般企業やマスメディア、官公庁、研究機関など様々な領域で活躍しています。
●設置年:1949年
●卒業生:
重松清、尾木直樹、下村博文、日枝久(株式会社フジテレビジョン会長)、山田進太郎(メルカリ社長、創業者)、岡田彰布、荒川静香、他多数
●入学者数:約980名
●駿台偏差値:56.0-61.0
⑧人間科学部
人科は「人間とはなにか」という問いに対して総合的に取り組みます。
そして心理学から情報科学など学問領域の枠を超えた文理融合教育が特徴的です。
さらに人科はスポ科と同様に所沢キャンパスで、スポーツ推薦の人が多いため、合わせて「所沢体育大学」と呼ばれることもあります。
また入試難易度も低いため、大学内やサークル内では肩身の狭い思いをすることも多いそうです。
しかし「早稲田」のブランドを手にいれるのが目的なら非常にコスパがいいでしょう。
●設置年:1987年
●卒業生:
羽生結弦、越智大祐、永井秀昭、他多数
●入学者数:約550名
●駿台偏差値:54.0-56.0
⑨スポーツ科学部
スポ科は自然科学から人文・社会科学の幅広い学問を用いて、スポーツを科学的に探求します。
またスポーツに関わる領域は意外と多いため、将来的にスポーツに関わりたいと考えている人におすすめです。
●設置年:2003年
●卒業生:
横山貴明、横山知伸、宮沢大志、古賀淳也、五郎丸歩、他多数
●入学者数:約420名
●駿台偏差値:53.0
⑩国際教養学部
国際教養学部は高円宮承子様やベルギー王女も進学してきた新進気鋭で近年人気な学部です。
授業はほとんどが英語で行われ、学生のほとんどが留学生か帰国子女で構成されています。
実際に50カ国以上の国と地域から学生が集まり、3人に1人が外国籍学生です。
1年次から設置されているゼミは少人数教育で行われています。
さらに日本語が母国語の学生は外国の大学等に1学年相当留学することが必須となっています。
(参考)【留学必須の大学・学部10選】大学長期留学のための大学選び
●設置年:2004年
●入学者数:約430名
●駿台偏差値:62.0
4)理系学部(理学部)
理系学部には理学部が3つあります。
●設置年:1920年(1882年の理学科が起源)
●卒業生:
半田利弘、岩田眞二郎(ベネッセホールディングス会長)、藤井正嗣、井深大(ソニー創業者)、白倉茂生(中国電力社長)、佐々木則夫(東芝社長)、福武總一郎(元ベネッセコーポレーション社長)、井上和幸(清水建設 代表取締役社長)、飯塚恒生(東急建設 代表取締役社長)、松井隆弘(松井建設 取締役社長)、新井徹(森永製菓 代表取締役社長)、他多数
①先進理工学部
先進理工は、大きくは生命の学部です。
先進理工は研究と教育の切れ目ないカリキュラムで構成されているのが特徴です。
そして第一線級の若手研究者・技術者の育成のための教育・実験設備が充実しています。
そして卒後は8割弱の学生が大学院に進学しています。
中でも生命医科学科は有名で、卒業生の9割以上が大学院で研究を続けます。
●入学者数:約540名
●駿台偏差値:60.0-64.0
②基幹理工学部
基幹理工は数理科学および基礎工学に重点を置き、基幹となる科学技術を担う技術者・研究者の育成を目材しています。
また数学を応用するため、主に情報系と言うとここを指します。
1年次は数学系、工学系、情報系、メディア系の4つの学系を幅広く学び、2年次から学科を選択します。
また卒後は約7割の学生が大学院へ進学します。
●入学者数:約560名
●駿台偏差値:61.0-62.0
③創造理工学部
創造理工は「ものを作る」というイメージが当てはまります。
例えば建築や土木やロボットというようなものです。
そして建築・エンジニアリング・環境・社会基盤などに関連する5学科を1年次から専門的に学びます。
具体的には建築学科・総合機械工学科・経営システム工学科・社会環境工学科・環境資源工学科に分かれています。
また卒後は約7割弱の学生が大学院へ進学します。
●入学者数:約610名
●駿台偏差値:57.0-58.0
5)まとめ
・文系学部のカースト上位は入試難易度の高い政治経済学部と法学部。
・理系学部のカースト上位はこちらも入試難易度の高い先進理工学部。
・人気上昇中のおすすめ学部は国際教養学部。
・コスパよく早稲田に入りたいなら人間科学部。
・コスパよく早稲田キャンパスで大学生活を送りたいなら教育学部。
以前に書いた記事、【早稲田大学】4つのキャンパスと学部一覧も参考にしてみてください。
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