今回はニュースにもなっている東京女子医大の入試寄付金問題と私立医学部に噂される闇について説明していきます。
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1)東京女子医大の入試寄付金問題とは
2024年6月に判明した東京女子医大の推薦入試での寄付金は2018年から2022年の5年間で少なくとも約3400万円に上りました。
そしてこの寄付金は同大の同窓会組織「至誠会」にわたっており、同組織が3親等以内に至誠会の会員(卒業生)か準会員(在校生)がいる受験生を対象とした学校推薦型推薦(「至誠と愛」推薦)への推薦を行っています。
募集人数は例年約10名とあり、18年から22年の5年間で57人の受験生が至誠会に審査を申請し、39人が推薦され、最終的に37人が合格したとされています。
また寄付金は大学側は推薦審査の受け付け開始約1か月前の8月から合格発表の12月初旬にかけて少なくとも生徒8人の親族から計1630万円の寄付を受領し、至誠会も同時期に18人の親族から計1800万円の寄付を受領していました。
(文部科学省は2002年に私大の入学に関して寄付金を収受することを禁止しています。)
近年では昔は通例となっていた入学後の寄付金も任意である場合がほとんどです。
しかしそんな現代に推薦入試での寄付金による加点は驚きですよね。
しがらみや利権の少ない新設の医学部や入試難易度の高く学費の安い上位医学部、推薦入試を実施していない医学部ではこのような疑惑も少ない傾向があります。
他にも東京女子医科大学は医療事故や過酷な労働条件から附属病院での医師一斉退職など多くの問題を抱えているいって間違い無いでしょう。
(参考)東京女子医科大学公式HP
2)私立医学部の入試での女子差別問題
2018年に発覚した医学部入試での女性差別問題ですが、当時指摘を受けたのは東京医科大学、順天堂大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学、神戸大学、岩手医科大学、昭和大学、日本大学、金沢医科大学、福岡大学の10大学でした。
そのうち東京医科大学、北里大学、順天堂大学、聖マリアンナ医科大学では翌年から合格者の女子比率が改善しています。
この入試差別問題で最も重大な問題は、建前上、性別・年齢等による受験制限はしていないことになっているのに対して、受験生に知らせることなく年齢や性別を理由に一部の受験生を優遇してきたことです。
そしてこれが陰で行われていたということで医学部入試の不公平さを公に示すことになってしまいました。
しかし現在でも女子や再受験生の合格率が男子よりも低い私立医学部は存在します。
だからこそ私立医学部受験生は入学者の男女比や年齢構成を意識しています。
3)卒業生子女入試はアリ?
一部の私立医学部では総合型選抜や学校推薦型選抜で、卒業生の子ども向けの「枠」を設けています。
これらは卒業生子女枠、同窓生子女枠と呼ばれ、卒業生の子ども(レガシー)などを優遇する入試方式です。
私立医学部では昭和大学医学部、東京女子医科大学、東邦大学医学部、日本大学医学部、金沢医科大学、兵庫医科大学の6校が卒業生子女枠を設けています。
また岩手医科大学医学部の総合型選抜も、卒業生子女枠に近い入試です。
賛否はあると思いますが、しっかりと入試要項に明示していれば問題になることはないのが現状です。
4)最後に
最後に年々私立医学部の入試は少しずつ公平になりつつあると言っても、まだ年齢バイアスや性別バイアスは存在します。
特に年齢フィルターは厳しい医学部も多いようです。
しかし国際医療福祉大学のように年齢・名前・写真・性別を隠したブラインド・オーディション方式の選抜を公表している大学も増えているので、少なくとも一次試験については差別が軽減されているのではないでしょうか。
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