【順天堂大学医学部】人気急上昇で御三家に世代交代の波⁉︎

今回は近年人気・実績・難易度ともに急上昇著しい順天堂大学の医学部について実際の在校生の意見を元に紹介していきます。

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１）順天堂大学医学部キャンパス情報

順天堂大学の医学部生は1年生は全員千葉県印西市に位置するさくらキャンパスで寮生活を送ります。

そして2年生以降は本郷・お茶の水キャンパスでの学生生活が始まります。

附属病院

順天堂大学の附属病院は６つあります。

それは順天堂医院（文京区）、静岡病院（伊豆の国市）、浦安病院（浦安市）、順天堂越谷病院（越谷市）、順天堂東京江東高齢者医療センター（江東区）、練馬病院（練馬区）です。

そして1000床以上の病床を誇る順天堂医院は、「病院」という言葉は病院を治すという意味が含まれず病人を集める意味しかなさないという理由で現在も「医院」という言葉を保っています。

２）日本医科大学の特徴

トップレベルの医師国家試験合格率

順天堂大学の国試合格率は、20年間にわたって合格率が全国平均を上回っており、近年は全国の医学部でも合格率はトップクラスです。

また過去10年間・20年間の平均においては全国第２位と、高い合格率を維持しています。

そしてついに2023年新卒・既卒合わせて合格率100％を達成しました。

さらに出願者数と受験者数に大きな乖離があるわけでもないため、卒業試験で合格見込みのない生徒を留年させるようなこともほとんどなさそうです。

急上昇する難易度と人気

順天堂大医学部は2008年度に学費の大幅値下げを行って以来、志願者数が急増し、入試の難易度が上がっています。

そしてここ数年では私立医学部御三家の３番手である日本医科大学と同じ難易度まで上昇しているため、慶應・慈恵と合わせて「新御三家」と括られる場合もあります。

1年次の寮生活

次に順天堂大学医学部の大きな特徴として、１年次の寮生活があります。

これは開学以来の伝統で、医学生にとって非常に貴重な経験となります。

寮生活は全員必須で千葉県印西市にある「啓心寮」でスポーツ健康科学部の学生とともに共同生活を送ります。

そしてスポーツ界の第一線で活躍している学生も多いため、そのパワフルな姿に感化されることも多いです。

基本的に16人から18人ほどの学生が１室で生活し、門限は23時と制限はあるものの、寮生活1年後の満足度は8割を超えます。

様々な海外研修プログラム

６年次では『学生インターンシップ実習（選択コース）』が用意されており、選択すれば２～８週間の間、海外の施設で勉強ができます。 

また順天は米国医師免許ECFMGの取得も推奨しています。

３）入試

入試形式

順天堂大学の医学部の入試形式は様々あり、一見複雑に見えますが整理していきましょう。

募集人数は合わせて130から140人ほどで、入試形式は大きく分けて４種類あり、一般入試、共通テスト入試、共通テスト・一般併用入試、地域枠入試があります。

以下2025年度入試を参考に紹介していきます。

	一般A方式	前期共通テスト利用	一般B方式（他の全ての入試と併願可）	共通テスト・一般併用	後期共通テスト利用	地域枠	研究医特別
募集人数	64名	10名	5名	12名	5名	33名	2名
1次選考入試科目	理科２科目、英語、数学、小論文	（共通テスト・）小論文	理科２科目、英語、数学	（共通テスト・）理科２科目、英語	（共通テスト）		理科２科目、英語、数学、小論文
1次選考	2月3日	2月３日（小論文）	2月3日	2月3日	ー		2月3日
2次選考（面接）	2月13~15日	2月13~15日	3月3日（小論文・英作文） 3月4日（面接）	3月3日（小論文・英作文） 3月4日（面接）	3月3日（小論文・英作文） 3月4日（面接）		2月13~15日
受験者数（2024年度）	2198名	714名	272名	603名	326名	364名	61名
試験会場	1次：幕張メッセ 2次：本郷・お茶の水キャンパス	1次：幕張メッセ 2次：本郷・お茶の水キャンパス	1次：幕張メッセ 2次：本郷・お茶の水キャンパス	1次：幕張メッセ 2次：本郷・お茶の水キャンパス	2次：本郷・お茶の水キャンパス		1次：幕張メッセ 2次：本郷・お茶の水キャンパス

一般選抜A方式

一次選考

一般選抜A方式の一次選考科目は理科（物理・化学・生物から２科目）、英語、数学です。

	理科	英語	数学	小論文
配点	200点	200点	100点	ー
時間	120分	80分	70分	70分

数学

まず数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学Bから出題されます。

大問3問で70分です。

問題の難易度は中程度からやや難で問題数が多いため全部解ききるのは難しいです。

また合格目標は７割ほどでしょう。

英語

大問5問で80分です。

そして例年問題構成は長文4問と自由英作文1問です。

専門用語には丁寧な注がつくこともあり、比較的易しい問題が多いです。

さらに自由英作文は合格を左右するとという噂さえあり、事前にスピーディーに解けるように慣れておく必要があります。

また合格目標は７割５分ほどです。

理科

まず化学は大問２問構成ですが、実質大問４問構成で、難易度はやや難です。

しかし問題量や計算量が多いため時間内に終わらせるにはスピードが求められます。

４問のうち３問ほどが理論で１問が有機と、結構分野は偏っています。

しかしだからと言って無機の対策なしはやめましょう。

また合格目標は７割から７割5分ほどです。

次に物理は大問２問構成ですが、実質大問４問構成で、難易度は普通です。

大問１第１問は小問集合で、時間はかなりタイトなのでいかに速く解けるかが重要です。

また合格目標は８割から８割5分です。

最後に生物は大問２問構成ですが、実質大問４問構成で、難易度は標準からやや難です。

そして医学分野からの出題は少なめで、生態や植物生理からの出題が圧倒的に多いです。

さらに化学や物理と比べて時間に余裕はあります。

また合格目標は８割ほどです。

小論文

小論文は点数に換算されませんが、二次選考の面接の際に聞かれる可能性があります。

二次選考（面接）

面接は１人20〜30分で、受験生1人に対し面接官は4人ほどです。

また特徴的なのが「これまでの活動を証明する資料を持参する」という点です。

そのため勉強以外にチャレンジしてきたことが評価されます。

例えばスポーツ大会での実績やボランティア活動、各種資格や部活動記録、コンテストの結果などがこれに当たります。

質問に関してはごく一般的なものが多く、医師志望理由や本学志望理由、自己PR、長所と短所、目指す医師像や高校生活について聞かれます。

そして面接は圧迫面接ということはなく、リラックスした雰囲気で実施されます。

学費

順天堂大の医学部の学費は6年間で2080万円で私立医の中では国際医療福祉大学の次に安く、２番目です。

また特待生は一般選抜A方式の上位10名が選ばれ、6年間の学費は700万となります。

しかし初年度のみは全寮制なので別途寮費などがかかることに留意する必要があります。

学生の浪人率・再受験率・男女比

まず順天堂大学の入学者140名ほどの男女比は5:5で男女半々となっています。

そして浪人率ですが毎年６割強ほどが現役、４割ほどが1浪、数人が2浪で3浪以上はほとんどいないのが現状です。

４）カリキュラム

１年生は主に一般教養を修め、病院実習などの早期体験実習を通して、 医師とは何か、医学とは何かを深く学ぶ上での基礎固めを行います。（＠千葉県印西市のさくらキャンパス）

２年生は本郷キャンパスに移って、本格的な専門教育が始まります。そして基礎医学が中心に学び、人体解剖実習も行われます。

3年生は基礎医学を完成させて、臨床医学を学び始めます。

4年生は臨床医学を完成させ、CBTとPreCC OSCEを受けます。

5年生は1年間通じて4～5名を1グループとする少人数で病院実習を行います。

6年生は学生インターンシップ実習と卒業試験、医師国家試験が行われます。

そして学生インターンシップ実習では、8週間自分の興味をもった学問領域を実習することができます。

５）内部生の声

・本郷キャンパスは立地良し、施設良し

・学園祭がないのが少し残念

・留年率は比較的低く、国試合格率は高い

・校内は綺麗で清潔的

・学内カップルはそこそこ多い

・学生一人一人へのサポートが手厚い

６）まとめ

・6年間の学費は約2080万円で私立医の中では最も安い部類。

・現役志向の高い私立医学部の新御三家で難易度は高い。

・高い国試合格率を毎年維持していて、国試対策も十分。

・1年生は千葉県印西市のさくらキャンパスで原則全員寮生活。

・入試の一次選考では数学の難易度が比較的高く、英語は比較的標準的な難易度。

・二次選考の面接では今までの活動を証明する資料を持参するという特徴的な選考方法。